フィリピンのSmart、NTTドコモとオープンRANの概念実証を実施
フィリピンのPLDTの完全子会社で同国の移動体通信事業者(MNO)であるSmart Communicationsはフィリピンでオープン無線アクセスネットワーク(オープンRAN)の概念実証を実施したと発表した。
Smart Communicationsはフィリピンで初めて完全に機能するオープンRANの概念実証の展開に成功したと案内している。
オープンRANの概念実証はPLDT-Smart Technology LaboratoryでNTT DOCOMOと実施しており、下りの通信速度は1Gbps以上を記録したという。
なお、PLDT-Smart Technology Laboratoryはマニラ首都圏(メトロマニラ)としても知られる国家首都地域(NCR)のマカティ市に所在する。
Smart Communicationsは2019年からオープンRANの導入を検討してきた。
従来は単一のベンダから無線アクセスネットワーク(RAN)のハードウェアとソフトウェアを調達することが主流であるが、オープンRANを適用した場合は任意のベンダを組み合わせることができる。
オープンRANを適用することでコストを抑えられるほか、柔軟で迅速に携帯通信網を構築できると期待感を示している。
これまで、中国のHuawei Technologies (華為技術)およびスウェーデンのEricssonと協力して第5世代移動通信システム(5G)を展開してきたが、オープンRANの採用に向けて模索することになった。
フィリピンで5Gの展開を継続するためには費用対効果の高い方法を採用する必要があると認識しているという。
新しい方法を模索最適な時期と判断したため、オープンRANの試験を本格的に開始した。
オープンRANの技術を理解するために複数の試験を実施する計画で、NTT DOCOMOと実施したオープンRANの概念実証は最初の段階になるという。
なお、Smart Communicationsの親会社であるPLDTにはNTT DOCOMOが出資している。
PLDTに対する持分比率は2022年12月31日時点でNTT DOCOMOが10.55%、NTT DOCOMOの完全子会社であるNTT Communications Corporationが5.85%となっている。
そのため、NTT Communications Corporationを通じた持分も含めると、NTT DOCOMOによる持分比率は16.4%となる。
NTT DOCOMOは日本国内でオープンRANを適用して5Gを展開している。
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