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日本の対韓制裁、世界のスマホに影響も


経済産業省(Ministry of Economy, Trade and Industry:METI)は韓国向けの輸出管理の運用を見直すと発表した。

日韓間の信頼関係が著しく損なわれ、韓国との信頼関係に基づいた輸出管理の取り組みが困難となり、韓国関連の輸出管理で不適切な事案の発生も理由として、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)に基づく輸出管理を適切に実施する観点から、韓国向けの輸出に対して厳格な制度の運用を行う。

いわゆるホワイト国を指す外為法輸出貿易管理令別表第3の国から韓国を削除するための政令改正に関する意見募集の手続きを2019年7月1日より開始したほか、2019年7月4日から半導体やディスプレイの生産に必要なフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の韓国を仕向地とする輸出や関連する製造技術の移転を包括輸出許可制度の対象から除外して個別輸出許可へ切り替える。

個別輸出許可は原則として不許可もしくは事実上の禁輸措置と伝える報道もあるが、実際はそうではなく決して禁輸措置ではない。

ただ、不許可となる可能性も決してないわけではなく、審査および許可には少なくとも90日程度を要する模様のため、半導体やディスプレイを生産する韓国企業は規制対象品目の調達に遅延が生じ、半導体やディスプレイの生産にも遅延が生じると予想できる。

輸出額を基準とした韓国からの輸出において、2018年通期は半導体の輸出が全体の20%超を占める状況で、半導体の輸出は韓国経済を支えてきた。

韓国の半導体企業を締め付けることで、韓国経済が受ける打撃は大きいと推測できるが、影響は韓国だけにとどまらない。

事実上の対韓制裁とも言える経済産業省が発動した措置は世界のスマートフォン市場に影響を及ぼす可能性がある。

フッ化ポリイミドはディスプレイの生産に必須の材料で、有機ELディスプレイの基板の材料として使用され、日本企業の生産量が世界の90%以上を占める。

レジストは半導体の基板に回路パターンを転写するために必要な感光剤で、こちらも日本企業の生産量は世界の90%以上である。

フッ化水素は半導体の基板の表面処理に使われ、日本企業の生産量の割合は低下傾向にあるが、それでも日本企業が70%前後を占める状況にある。

これらの規制対象品目の供給は日本企業が掌握しており、主にSumitomo Chemical (住友化学)、FUJIFILM (富士フィルム)、JSR、TOKYO OHKA KOGYO (東京応化工業)、SHOWA DENKO (昭和電工)、ADEKA、Shin-Etsu Chemical (信越化学工業)、Stella Chemifa、Morita Chemical Industries (森田化学工業)などが韓国に輸出している。

規制対象品目を調達する韓国企業としてはSamsung Electronics (サムスン電子)、Samsung Display、LG Display、SK hynixなどが挙げられる。

世界における販売額を基準としてDRAM半導体の販売量は韓国が70%以上を占め、中小型有機ELディスプレイは韓国が90%近くを占める状況で、DRAM半導体や中小型有機ELディスプレイの供給は韓国企業が支配的である。

いずれもスマートフォンの製造に必要な部品であることは言うまでもなく、DRAM半導体は主にSamsung ElectronicsやSK hynix、中小型有機ELディスプレイはSamsung DisplayやLG Displayなどが生産し、スマートフォンを製造する企業に納品している。

規制対象品目をすぐに日本企業以外から調達することは困難で、もちろんすぐに韓国で内製化することも難しい。

日本企業から規制対象品目の供給が滞れば韓国企業が支配的なDRAM半導体や中小型有機ELディスプレイの生産に影響が生じ、日本企業を含めた世界中のスマートフォンメーカーに影響を及ぼすと考えられる。

特に中小型有機ELディスプレイに与える影響は大きく、一時はSamsung Displayが独占状態にあり、すでに日本や中国でも生産する企業が出ているが、それでも依然として韓国企業が圧倒的に支配する状況で、しかも2019年1月から2019年5月までに韓国企業が輸入したフッ化ポリイミドの輸入元は93.7%が日本企業である。

事実上、スマートフォン向け有機ELディスプレイは韓国企業が掌握し、それの生産に必要な材料は日本企業が掌握していることになるが、日本企業から韓国企業へフッ化ポリイミドの供給が滞れば中小型有機ELディスプレイの供給不足に陥り、スマートフォンのディスプレイが液晶から有機ELへシフトする中で影響は世界規模になると言える。

また、DRAM半導体や中小型有機ELディスプレイの生産は韓国企業が支配的な状況から、韓国企業に材料を輸出する日本企業にとって代替の輸出先はあまりないとも考えられる。

このような輸出規制にはつきものであるが、日韓企業ともに程度に差はあれど打撃を受ける可能性が高い。

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