シンガポール当局、5G向け周波数の割当状況を公開
- 2020年12月31日
- 海外携帯電話
シンガポールの政府機関で電気通信分野の規制を司る情報通信メディア開発庁(Info-communications Media Development Authority:IMDA)は第5世代移動通信システム(5G)向け周波数の割当状況を公開した。
情報通信メディア開発庁は公式ウェブサイトで周波数の使用権に関するページを用意しており、内容を更新して5G向け周波数の割当状況を確認できる。
シンガポールの移動体通信事業者(MNO)はSingtel Mobile Singapore、StarHub Mobile、M1、TPG Telecomの4社が存在する。
なお、シンガポールの移動体通信事業者は長らく3社体制が続いてきたが、2020年3月31日にTPG Telecomが新規参入を果たした。
これまで、5Gの整備で主力となるサブ6GHz帯の3.5GHz帯はSingtel Mobile Singaporeが単独で割当を受けたほか、StarHub MobileおよびM1が共同で割当を受けたことが分かっていた。
また、スポット的に5Gを整備するために活用できるミリ波(mmWave)の26~28GHz帯はSingtel Mobile Singapore、StarHub Mobile、M1、TPG Telecomがそれぞれ個別に割当を受けたことも判明していた。
割当の当初は詳細な周波数範囲までは公表していなかったが、情報通信メディア開発庁が更新および公開した情報から具体的な周波数範囲も確定している。
シンガポールにおける5G向け周波数の割当状況は下記の通りである。
– サブ6GHz帯
3450~3550MHz:Singtel Mobile Singapore
3550~3650MHz:StarHub Mobile and M1
– ミリ波
26300~26700MHz:TPG Telecom
26700~27500MHz:Singtel Mobile Singapore
27500~28300MHz:M1
28300~29100MHz:StarHub Mobile
29100~29500MHz:TPG Telecom
サブ6GHz帯は1枠当たり100MHz幅で、合計で2枠に限定されていた。
移動体通信事業者の数を下回るため、シンガポールで最大手のSingtel Mobile Singaporeと新規参入したTPG Telecomはそれぞれ単独で申請したが、StarHub MobileおよびM1は共同で申請することになり、結果的にTPG Telecomは割当を受けられなかった。
ミリ波は1枠当たり400MHz幅で、すべての移動体通信事業者が2枠で800MHz幅を個別に取得したが、TPG Telecomは連続した800MHz幅を確保できなかった。
なお、5G向け周波数の有効期間はサブ6GHz帯が2021年1月1日に開始し、ミリ波が2020年11月2日に開始しており、いずれも2035年12月31日に満期を迎える。
5Gの整備ではサブ6GHz帯が主力となるが、サブ6GHz帯は有効期間の開始が遅く、さらに割当条件に5GのNR方式が単独で動作するスタンドアローン(SA)構成の導入が必須と規定されている。
そのため、StarHub Mobileは第3世代移動通信システム(3G)のW-CDMA方式や第4世代移動通信システム(4G)のLTE方式で使用する既存の2.1GHz帯でNR方式のノンスタンドアローン(NSA)構成を先行して導入した。
StarHub Mobileは5Gサービスを商用化しているが、5G向け周波数は使用していない。
スポンサーリンク
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。