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フィリピンのPLDTがLTE B42の運用を終了



フィリピンのPLDTは第4世代移動通信システム(4G)の運用を終了したことが分かった。

PLDTは3.5GHz帯で4GのLTEの方式を導入し、周波数はTDDのBand 42を運用してきた。

2014年4月29日に商用化した固定通信用途のPLDT Home Bro Ultera向けにBand 42を運用してきたが、加入件数を順調に伸長させることができず、さらに子会社でフィリピンの移動体通信事業者(MNO)であるSmart Communicationsによる第5世代移動通信システム(5G)のNR方式の導入に伴い、PLDTはBand 42の運用を終了することになった。

PLDTは子会社を通じて3.5GHz帯の割当を受けており、具体的にはPLDTの子会社でフィリピンのSmart BroadbandおよびDigitel Mobile Philippinesがフィリピンの政府機関で電気通信分野などの規制を司る情報通信技術省(Department of Information and Communications Technology:DICT)の附属機関である国家電気通信委員会(National Telecommunications Comission:NTC)より3.5GHz帯を取得した。

周波数範囲はSmart BroadbandとDigitel Mobile Philippinesを合わせて3400~3460MHzの60MHz幅で、PLDTは20MHz幅ずつ連続した3搬送波をBand 42として運用してきた。

3.5GHz帯はNR方式の導入に適した周波数で、NR Bandは世界で最も導入事例が多いFR1のn78の導入が可能である。

また、PLDTのグループ全体で保有する周波数としては帯域幅が広いため、3.5GHz帯の60MHz幅を5Gで利用すると5Gの特徴のひとつとなる高速通信の実現が期待できる。

そのため、PLDTは周波数の有効活用を最優先として、Smart Communicationsがn78を導入するために3.5GHz帯を使用することを決定し、n78の試験的な運用の開始に先立ちBand 42は停波した。

標準化団体の3GPP (3rd Generation Partnership Project)ではLTE方式とNR方式で周波数を同定に共有するダイナミックスペクトラムシェアリング(DSS)が標準化されているが、対象の周波数は標準化の予定も含めてFDDのすべての周波数とTDDの2.3GHz帯(Band 40およびn40)、2.5GHz帯(Band 41およびn41)、2.6GHz帯(Band 38およびn38)となるため、3.5GHz帯の60MHz幅をn78で利用するためにはBand 42を停波する以外に方法はなかった。

PLDTがBand 42の運用を終了し、Smart Communicationsのn78で使用していることは国家電気通信委員会を通じて確認できている。

PLDTは固定通信用途のPLDT Home Ulteraを提供しているが、Smart Communicationsが運用するLTE方式を使用する。

Smart Communicationsは2020年7月30日にNR方式を商用化しており、中国のHuawei Technologies (華為技術)およびスウェーデンのEricssonより調達した通信設備を使用し、n78で高速通信を提供している。

Digitel Mobile Philippinesは過去にSun Cellularの商標を使用して移動体通信事業者として携帯通信サービスを展開していたが、すでにネットワークはSmart Communicationsに統合されており、Digitel Mobile Philippinesが3.5GHz帯を運用することはなかった。

なお、PLDTはNTT DOCOMOの関連会社で、NTT DOCOMOによる持分比率は8.56%である。

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