ベトナムのVingroup、LGエレクトロニクスからスマホ事業の買収を検討か
- 2021年01月21日
- Android関連
ベトナムのVingroupは韓国のLG Electronics (LG電子)からスマートフォン事業の取得を検討していることが分かった。
韓国とベトナムの複数の報道機関が伝えている。
LG Electronicsは携帯端末の設計、開発、製造、販売などを行うMC (Mobile Communications)事業本部の業績不振が深刻化しており、2020年第4四半期まで23四半期連続で赤字を記録し、営業損失は累計で5兆韓国ウォン(約4,699億円)に達した。
MC事業本部の業績不振はスマートフォン事業の低迷が最大の理由で、すでにスマートフォン事業の売却を検討しているとの報道も出ている。
LG Electronicsは報道を受けてMC事業本部の従業員に対して電子メールを通じてすべての可能性を検討していると認めた。
一部ではMC事業本部の研究開発機能を維持し、製造機能を売却して事業運営の効率化を図る案を検討しているとの報道もある。
このような状況で、VingroupがLG Electronicsのスマートフォン事業に関心を示しているという。
VingroupはLG Electronicsのスマートフォン事業全体を買収、スマートフォン事業のうち製造機能を買収など、報道機関によって内容が異なる部分もあるが、少なくとも製造機能は取得を検討していると推測できる。
LG Electronicsのスマートフォンの製造機能としてはベトナムのハイフォン市、中国の山東省青島市および煙台市、ブラジルのサンパウロ州タウバテ市でスマートフォンの工場を所有しており、すべての工場を取得、ハイフォン市以外の工場を取得など、こちらも報道機関によって内容が異なる。
なお、LG Electronicsは韓国の京畿道平沢市でも工場を運営していたが、ハイフォン市に移転を完了した。
Vingroupは子会社でベトナムのVinSmart research and manufactureを通じてベトナムを中心に中低価格帯のスマートフォンを展開している。
アジアや欧州の複数の国に参入して国際展開も開始し、北米への参入も検討しているが、国際展開は決して好調とは言えない。
LG Electronicsは第5世代移動通信システム(5G)に対応した高性能なスマートフォンを製品化したほか、北米や中南米では一定の存在感を残しており、Vingroupは国際展開を強化するうえでLG Electronicsの技術力や国際的な販売網などを魅力的に捉えているとの見方がある。
また、VingroupはVinSmart research and manufactureを通じてスマートフォンの工場を所有しており、当初はハイフォン市で工場を運営していた。
ベトナムでは首都・ハノイ市で新たに建設した施設に研究開発機能や製造機能に集約したが、製造拠点の国際化を図るならば中国やブラジルの工場は取得を検討しても不思議ではない。
これまでより、Vingroupはスマートフォン事業を拡大するために技術や人員の獲得に積極的で、Vingroupの子会社でベトナムのVinTech Technology DevelopmentはBQとしてスマートフォンを展開していたMundo Readerを子会社化し、Mundo Readerが保有する技術をVinSmart research and manufactureのスマートフォンに取り入れている。
また、韓国のSamsung Electronics (サムスン電子)はベトナム北部でスマートフォンの製造を行うなどベトナム北部に主要な拠点を構えており、VinSmart research and manufactureはSamsung Electronicsのベトナムの拠点で高度な知識を取得した人材を誘致していることも分かっている。
そのため、VingroupがLG Electronicsのスマートフォン事業の全部または一部の取得を検討することは十分に想定の範囲内と言える。
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