香港当局、ミリ波5Gの構築期限を延長
- 2021年11月24日
- 海外携帯電話
香港特別行政区の政府機関で電気通信分野の規制を司る通訊事務管理局(Communications Authority)はミリ波(mmWave)の周波数を使用した第5世代移動通信システム(5G)の整備に関して達成時期の期限を延長した。
ミリ波は第5世代移動通信システム(5G)で使用することを想定しており、通訊事務管理局は移動体通信事業者(MNO)にミリ波を割当する条件として開設する基地局数および期限を設定することになった。
当初は2024年4月24日までに少なくとも2,500局を開設する必要があると規定しており、さらに詳細には2022年4月24日までに少なくとも500局、2023年4月24日までに少なくとも1,250局を開設する必要があると定めていた。
しかし、ミリ波の割当を受けた3社の移動体通信事業者が共同で期限の延長を要求したため、通訊事務管理局はミリ波の5Gに対応した基地局の無線装置および携帯端末の供給が想定より大幅に遅延していることを考慮し、移動体通信事業者の要求に応じて2021年11月18日付けで期限を変更した。
最終的に開設する基地局数に変更はなく、新たな期限は2024年4月24日までに少なくとも500局、2025年4月24日までに少なくとも1,250局、2026年4月24日までに2,500局を開設する必要がある。
事実上、期限は一律で2年の延長を決定したことになる。
香港特別行政区ではミリ波の周波数として26GHz帯および28GHz帯を5G向けに割当した。
香港特別行政区の移動体通信事業者としてはChina Mobile Hong Kong (中國移動香港)が26950~27350MHzの400MHz幅、Hong Kong Telecommunications (HKT)が27350~27750MHzの400MHz幅、SmarTone Mobile Communications (數碼通電訊)が26550~26950MHzの400MHz幅の割当を受けた。
5G向けにミリ波の割当を受けた3社が共同で期限を延長するよう要求したことが通訊事務管理局によって公表されている。
ミリ波は2019年4月1日より使用を開始できるが、通訊事務管理局が期限を変更した2021年11月18日時点で香港特別行政区の移動体通信事業者はミリ波の5Gを商用化しておらず、商用化する予定の時期も確定していない。
これまでに、香港特別行政区で正規に発売したミリ波の5Gに対応した携帯端末は中国のZTE (中興通訊)製のZTE MU500 5Gの1機種にとどまる。
ZTE MU500 5Gはモバイル無線LANルータで、香港特別行政区では複数の移動体通信事業者が販売している。
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