北朝鮮で電子決済カードのNarae (ナレカード)を発行、koryolinkでも利用可能
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)では電子決済カードのNarae (ナレ/나래)が利用されており、様々な外貨商店などで決済に利用できる。
一般的に通称のNarae Card (ナレカード)と呼ばれることが多い。
Naraeは北朝鮮で外貨を取り扱う朝鮮民主主義人民共和国貿易銀行(Foreign Trade Bank of the Democratic People’s Republic of Korea/조선민주주의인민공화국 무역은행)が発行しており、外国人でも利用することが可能である。
前回の訪朝時は指導員にNaraeを見せてもうだけで発行はできなかったが、今回の訪朝では平壌高麗ホテル内の喫茶店でスムーズにNaraeを発行して入手できた。
4桁の暗証番号を決めてチャージする金額を払うだけで簡単に入手可能で、手続きの開始から受け取りまでに要した時間はわずか2~3分程度であった。
外貨で購入が可能となっており、購入窓口にはレートが記載されていた。
利用可能な外貨はユーロ(EUR)、米ドル(USD)、中国人民元(CNY)、そして日本円(JPY)となっており、「半分が敵国の通貨なんですねw」と指導員に言ったら苦笑いしていた。
外貨でチャージすると北朝鮮ウォンで残高が追加されるため、通常の滞在に必要な支払いで使用できる。
なお、北朝鮮では朝鮮民主主義人民共和国中央銀行(Central Bank of the Democratic People’s Republic of Korea/조선민주주의인민공화국중앙은행)が公示する公定レートと市場交換レート(実勢レート)が存在しているが、Naraeでは公定レートを適用する。
Naraeで決済する場合は店側の指示通りに専用の機械にNaraeを通して4桁の暗証番号を入力するだけで、暗証番号が正しければ支払いが完了する仕組みである。
北朝鮮ではユーロや米ドルで表記する店なども存在するが、多くの場合は北朝鮮ウォン(KPW)で表記されており、購入時に店側がレートを計算して提示された料金を支払うことになる。
しかし、Naraeを使えばレートを計算する必要なく北朝鮮ウォンで支払える。
また、前回の訪朝時は店側が細かい外貨を保有しておらず細かい釣り銭をもらえない場合や、日本円で支払って中国人民元で釣り銭をもらうこともあったが、Naraeを使えばチャージ分から引かれるため、釣り銭に関する面倒な心配は不要である。
Naraeを利用できる店などではNaraeのロゴやポスターが掲示されており、一目でNaraeを使えると判断できる。
北朝鮮の移動体通信事業者であるCHEO Technology JV Company (逓オ技術合作会社/체오기술합작회사)の旗艦店となるkoryolink Sales & Customer Service Centerはこれまでに5度も訪問しており、北朝鮮では最もお気に入りスポットであるが、koryolink Sales & Customer Service CenterでもNaraeを利用可能で、携帯電話の料金も電子決済カードを用いて支払えることになる。
Naraeは手軽に発行が可能であり、チャージ額も自由に決められるため、外国人にとっても利便性は高いと考えられる。
1度の買物においてNaraeで支払ってから不足分を現金で支払うことも可能である。
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JPYではなくJNYとなっているが窓口では日本円のレートも明記されている
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koryolink Sales & Customer Service CenterにもNaraeのポスターが掲示されている
なお、日本円のレートについては1週間ごとに更新されるとのことで、本記事のレートからは変更されている可能性が高いため注意しておきたい。
レートが記載されたパネルの写真を撮ろうとしたところ、窓口のスタッフが薄れていた数字を濃く書き直してくれて、非常に親切かつ協力的であったことに感謝したい。
問い合わせなどがあれば、paopao0128[at]gmail.comまで気軽に連絡をいただければ幸いである。 ※ [at]は@に置き換え
その他、Facebook、Instagram、Twitterにおいても北朝鮮関連の情報や写真を公開しているので、気になれば目を通していただきたい。
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