香港でプリペイドSIMカードの実名登録を義務化へ
- 2021年01月29日
- 海外携帯電話
香港特別行政区の政府機関である商務及経済発展局(Commerce and Economic Development Bureau:CEDB)はSIMカードの実名登録制度を導入する計画を発表した。
香港特別行政区ではポストペイド回線は定期的な請求および顧客サービスの提供を目的として実名登録を実施する仕組みが確立されているが、プリペイド回線は実名登録を必要としていない。
そこで、通信事業者が顧客の情報を登録、照合、保持するために必要な法的根拠を提供するために、香港特別行政区政府は電訊条例の要件に従い実名登録制度の導入を提案することになった。
実名登録制度は香港特別行政区の通信事業者が香港特別行政区で利用するために発行したすべてのSIMカードが適用の対象となる。
ただ、ポストペイド回線ではすでに通信事業者が顧客の情報を保存しているため、再登録は不要かつ既存の顧客は基本的に影響を受けない。
プリペイド回線が影響を受ける対象となり、商務及経済発展局は実名登録制度の案を公表している。
個人の顧客は香港身分証や訪問者の旅券などその他の受け入れ可能な本人確認書類に記載される氏名、生年月日、本人確認書類番号、本人確認書類の写しを登録するために提供する必要があり、法人の顧客は商業登記資料および代表者または責任者に指定された個人の情報を登録する必要がある。
個人の顧客は1人につき1通信事業者あたり3回線までプリペイド回線の実名登録を行える。
通信事業者は顧客が提供した情報を確認および検証し、不完全な内容など問題が存在すると判断できる合理的理由がある場合は契約を解除する必要があるほか、契約の解除から少なくとも12ヶ月間は通信事業者が顧客の情報を保持しなければならない。
顧客の情報は通信事業者が保管し、政府または法執行機関を含めた他者に開示してはならないが、法執行機関は必要な場合に限り法令に基づき通信事業者に開示を要求できる。
法執行機関が開示を要求できる内容は氏名と基本的な本人確認書類の情報に限り、通話記録やその他の内容の要求は認められない。
また、開示の要求には裁判所の令状が必要となるが、特定の緊急時は警司を下回らない役員の承認を得て令状なしで要求することを許可する。
実名登録制度の導入に向けて2021年1月30日から2021年2月28日まで公開協議を開始し、通信業界や一般顧客などから意見募集を行う。
香港特別行政区政府は通信事業者がシステムの構築や更新など実名登録制度に準拠する準備期間を設けるために、段階的に実名登録制度を運用することを提案している。
実名登録制度の施行日から120日後に新たに開通するすべてのSIMカードが実名登録制度に準拠し、施行日から360日以内にすべてのSIMカードが準拠するよう制度整備を行う計画である。
2020-2021年度会期に立法過程の完了を目指し、公開協議の終了時に意見募集の結果を踏まえて立法会に実名登録制度を提案する。
なお、意見募集前の案であるため、最終的な確定した内容ではなく、2021年1月29日時点では施行日も決定していない。
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